昨日の日曜は、妙心寺退蔵院へ。
「方丈襖絵プロジェクト」ツアーに参加してきました。

25妙心寺


妙心寺退蔵院の本堂は400年前に建てられたもので
襖絵もその時代の狩野派のもの。
傷みが激しくなったため
いまはほとんど収蔵庫に保管されています。

それに変わる襖絵を作ることになり
新たな試みとして行なわれたのが
お抱え絵師の復活です。

400年前の絵師は、寺に住み込み、禅修行をしながら
襖絵を描いたそうで
そのやり方を現代に甦らせたわけです。

2年前お抱え絵師に選ばれたのは
24歳の女性・村林由貴さんでした。

1年間は絵を描かず、禅修行やお寺のお手伝いを行い
2年目から絵師の活動をスタート。

退蔵院の襖絵は64面もあり
いきなり取り組むのはハードルが高いため
練習を兼ねて、退蔵院ゆかりの壽聖院で描き始めました。
そして、壽聖院の書院と本堂が完成し
見学ツアーが組まれたわけです。

完成した襖絵は撮影できませんが
練習画なら撮影オッケー、アップオッケーとのこと。

これが村林さんが練習に描いた雀ちゃんです。

8-25村林さん2

本堂の数十羽を、下絵無しで何も見ず描くために
村林さんは雀を徹底的に描いて自分のものにしました。
その数、428羽、です。

一羽一羽が生き生きしていて、愛らしくて
見ているだけで頬がゆるみます。
本堂の襖を飛ぶ雀たちも素晴らしかったです。

実は先月29日に
わたしはこの活動を取材させていただきました。
村林さんのお話をしっかり伺い
作品をすべて見せていただいて、本当に感動しました。

1年かけて描いた襖絵は
時を経るごとに、タッチや画風がどんどん変化していて
たんに技術の向上だけでなく
寺への思い、禅への考え方など
村林さんがお抱え絵師として成長して行った様子が
ありありと残されていました。

禅修行をしながら
真摯に絵と向かい合っている様子が伝わってきて
胸にせまるものがありました。
素晴らしかったです。
また原稿が載った雑誌が発売されたらブログで報告しますね。

というわけでわたしはどうしても
その後の活動をこの目で見たくて
編集者さんと襖絵ツアーに参加してきたわけなんです。

大仕事を終えた村林さんでしたが
お元気そうで
相変わらず柔らかな笑顔がキュートでした。

8-25村林さん1

壽聖院の書院が完成したので
いよいよ退蔵院襖絵64面へのチャレンジが始まります。

これからどんな風に作品が描かれ
村林さんは成長していくのでしょうか。
考えただけで、ドキドキします。
体に気をつけて頑張って欲しいです。

またツアーがあったら様子を見にいきたいと思います!